写真集三昧

「昭和の東京  路上観察者の記録」 路上観察学会

ご存じ路上観察学会、五人組*のトマソン本である。 *赤瀬川原平、藤森照信、南伸坊、林丈二、松田哲夫 22年の活動の集大成のような本である。 第一部は「建築でたどる”昭和の東京“の旅」。 ここに出てくる建物は丹下・黒川流の大建築ではなくて、 長屋、…

「里山を歩こう」 今森光彦

岩波ジュニア文庫から出ている写真家、今森の「カラー版 里山を歩こう」を読みました。 舞台は琵琶湖西岸仰木地区、今森のホームグラウンドです。 棚田の四季、雑木林、そこに生きる人々の暮らし、様々な生き物の姿が豊かに 表現されています。 それにしても…

悠々として急げ -開高健と昭和

早いもので、開高健が亡くなって20年になる。 その開高健の写真展が杉並の郷土博物館で開かれている。 開高健の写真はベトナム戦争の従軍記やアマゾン釣行記を 通して今までもずいぶん見てきた。 その頃の写真は丸顔のおっさんというものばかりだ。 友人の…

公文健太郎 「大地の花 ― ネパール 人々のくらしと祈り」

写真集の記事が多くなっているので、書庫「読書日記」を二つにわけ、 「読書日記」と「写真集三昧」で運用することにしました。 「写真集三昧」に新たに追加する最初の写真集は若き写真家、公文健太郎の「大地の花」です。 「首都カトマンズから東に30キロ…

「人町」 荒木経惟 森まゆみ

昨年の10月に平林靖敏 「東京まちかど伝説」のことを書いた。 ここをクリック この本の巻末に対談が載っており、その相手は森まゆみという人だった。 そこでは雑誌「千谷根」の編集者と紹介されていたが、どんな人か全く知らなかった。 その後図書館で本を…

写真集 二人の丘

この写真集は前田真三、晃親子がホームグラウンド美瑛、富良野で撮りためた 写真を集めたものです。 前田真三は美瑛の風景を始めて紹介した高名な写真家ですが、 その写真集を見るのは初めてです。 絵のようなというか、夢のようなというべきか、美しい写真…

今森光彦 「湖辺(みずべ) 生命の水系」

琵琶湖湖畔の里山をホームグラウンドにして、そこに生きる生き物を 撮ってきた今村光彦が琵琶湖そのものに取り組んだ写真集である(2004)。 冬枯れの湖畔、夜明け前の静謐な湖面、葭原に集まるオナガガモやアオサギ、 子供を守るように翼を広げるトビ、蘆原を…

平林靖敏「東京まちかど伝説」

ちょっとした本屋には写真集の棚があるが、たいていスペースは狭い。 さらにそこに並ぶ写真集は自己主張の強いものが多くて、 こっちの気分とうまくマッチするとは限らない。 ということで本屋で気に入った写真集に出会うということは滅多にない。 いきおい…

佐藤秀明 雨のくに

佐藤秀明の写真集「雨のくに」がいい。 雨にうたれる花々、風に流れる驟雨、湖面にひろがる雨脚、 そぼふる雨にぬれた路地、雨上がりの草露。 「雨は僕にささやきかけてくる。“さあ撮りなさい。 向こうにもっといい雨がありますよ。 さあカメラを持って出か…

写真集 「林檎の里の物語」

吉村和敏の写真集「林檎の里の物語 カナダ アナポリス・ヴァレーの奇跡」は自然と人の優しさにあふれた写真集だ。 アナポリスはカナダから大西洋に突き出したノバ・スコシア州にある。 この写真集はリンゴの花が咲き乱れる季節で始まる。 リンゴの花のやさし…

写真集 山古志村ふたたび

図書館で見つけた写真集「山古志村ふたたび」がすばらしかったので、 AMAZONですぐに手に入れた。 中条均紀という人の作品で、中越地震の前に撮影したものを、 復興応援という形で出版したものらしい。 棚田を中心にした村民の暮らしがていねいに写し…