昨年の10月に平林靖敏 「東京まちかど伝説」のことを書いた。
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この本の巻末に対談が載っており、その相手は
森まゆみという人だった。
そこでは雑誌「千谷根」の編集者と紹介されていたが、どんな人か全く知らなかった。
その後図書館で本を探していると、エッセイ、伝記を中心に実にたくさんの本を書いていることが分かった。
それから「明治東京
畸人伝」、「昭和ジュークスボックス」「
円朝ざんまい よみがえる江戸・明治のことば」など、
森まゆみの著作をまとめ読みしている。
その中でご存知
アラーキーとの共著「人町」に出合った。
この本は1998年1年間かけて千谷根を中心にとりためた写真集である。
森まゆみの案内で
アラーキーが歩き回るといった形で写真が撮られている。
この地に生活拠点をもつ
森まゆみがそばにいるため、地域の人たちが心を開いているのが
よく分かる。
そして
アラーキーもまた案内人にとらわれず、自由気ままに写真を撮っている。
森まゆみの文章からも住人の普段の声と会話が聞こえてくる。
巻末に
アラーキーも書いている。
「なんかイイ旅をしたような気がする。(中略)
こんな幸福な旅をさせてくれたのは
森まゆみさん、実は猫になって路地から路地へと
ラブ・ラビリンスしてくれたのにゃ」
いい写真集である。またまたお奨めです。