公文健太郎 「大地の花 ― ネパール 人々のくらしと祈り」
写真集の記事が多くなっているので、書庫「読書日記」を二つにわけ、
「読書日記」と「写真集三昧」で運用することにしました。
「読書日記」と「写真集三昧」で運用することにしました。
「写真集三昧」に新たに追加する最初の写真集は若き写真家、公文健太郎の「大地の花」です。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/svsv/20191007/20191007151308.jpg)
「首都カトマンズから東に30キロの地点に位置する小さな村を訪ねました。
10歳にも満たない小さな少女が大きな水瓶を腰に抱え、水場から続く急な坂道を行き来する。
食事の支度をする母が小さな実を石で丁寧にすりつぶすと、豊かな香りが漂ってくる。年老いた
老婆は土間の古びた柱にもたれかかり、ミルクを延々とかき混ぜバターを作る。生きることが
そんな小さな行為一つ一つの積み重ねによって、丁寧に作られていくものなのだと、ここに
来て僕は教えられました。」
10歳にも満たない小さな少女が大きな水瓶を腰に抱え、水場から続く急な坂道を行き来する。
食事の支度をする母が小さな実を石で丁寧にすりつぶすと、豊かな香りが漂ってくる。年老いた
老婆は土間の古びた柱にもたれかかり、ミルクを延々とかき混ぜバターを作る。生きることが
そんな小さな行為一つ一つの積み重ねによって、丁寧に作られていくものなのだと、ここに
来て僕は教えられました。」
これは公文が写真展のときに寄稿した文章です。
この文章からもわかるように写真家の眼はもっぱらこども、少女、母親、老人に注がれています。
とくに家事の担い手として働き続ける少女の姿、やがて学業をあきらめて親の決めた相手に
嫁いでいく少女の姿、を愛情と哀惜をこめて写し取っています。
この文章からもわかるように写真家の眼はもっぱらこども、少女、母親、老人に注がれています。
とくに家事の担い手として働き続ける少女の姿、やがて学業をあきらめて親の決めた相手に
嫁いでいく少女の姿、を愛情と哀惜をこめて写し取っています。
タイトルの「大地の花」は、嫁いでいく一人の少女の手紙からとっています。
「夜空の星より
大地の花を私にください
お金や財産はいりません
友達の愛があればそれでいいのです
ありがとう」
「夜空の星より
大地の花を私にください
お金や財産はいりません
友達の愛があればそれでいいのです
ありがとう」
農村生活は質素ではあるけれど、人間同士が豊かに繋がり清潔感にあふれています。
アジアモンスーン気候のめぐみの中で、人々は運命に逆らわず大きな輪廻に従って
ゆったりと暮らしているようにもみえます。
アジアモンスーン気候のめぐみの中で、人々は運命に逆らわず大きな輪廻に従って
ゆったりと暮らしているようにもみえます。