石巻 新北上大橋のたもと

 

北上川石巻港より20km上流で、旧北上川北上川本流に

分流している。

 

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旧北上川は南に流れて石巻港に注ぎ、

本流は東の追波湾に向かう。

二つの湾の間には牡鹿半島が付き出ている。

 

昼食後、案内の青年に従って北上川(本流のほう)河口に向かった。

33号線を北上し、北上川にぶつかったところで右折する。

川に沿って下っていくと新北上大橋に辿りつく。

 

橋の袂から砂利道を下に降りていく。

北上川の堤防と山に挟まれた細長い低地が続いている。

その山裾に津波に襲われたと思われる建て屋が見えてきた。

 

 

大川小学校の跡地だった。

二階建ての校舎が残っている。

半円形のコンクリートの校舎の一部が津波に引きちぎられて、崩れている。

 

ここでは多くの子供、建て屋に避難した地元の人が亡くなった。

 

お盆間近かのせいか、線香が焚かれ、供養の花が並んでいる。

 

校舎の周りに人影が見える。

校舎の近くに佇み、見つめ続ける人。

あるいは校舎の周りをゆっくりと歩く人。

 

案内の青年もこの小学校で学んだ。

彼がそっと囁いた。

「遺族の方です」

 

 

学校のすぐ脇にある堤防は北上川の洪水を防ぐためのもので、

海から押し寄せる津波には無力だった。

津波は堤防の内側と外側の両方を遡った。

外側を遡った津波は大川小学校のあたりで行き場を失い

大きく盛り上がって多くの人命を奪った。