石巻 新北上大橋のたもと
分流している。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/svsv/20191007/20191007155613.jpg)
本流は東の追波湾に向かう。
二つの湾の間には牡鹿半島が付き出ている。
昼食後、案内の青年に従って北上川(本流のほう)河口に向かった。
33号線を北上し、北上川にぶつかったところで右折する。
川に沿って下っていくと新北上大橋に辿りつく。
橋の袂から砂利道を下に降りていく。
北上川の堤防と山に挟まれた細長い低地が続いている。
その山裾に津波に襲われたと思われる建て屋が見えてきた。
大川小学校の跡地だった。
二階建ての校舎が残っている。
半円形のコンクリートの校舎の一部が津波に引きちぎられて、崩れている。
ここでは多くの子供、建て屋に避難した地元の人が亡くなった。
お盆間近かのせいか、線香が焚かれ、供養の花が並んでいる。
校舎の周りに人影が見える。
校舎の近くに佇み、見つめ続ける人。
あるいは校舎の周りをゆっくりと歩く人。
案内の青年もこの小学校で学んだ。
彼がそっと囁いた。
「遺族の方です」
学校のすぐ脇にある堤防は北上川の洪水を防ぐためのもので、
海から押し寄せる津波には無力だった。
津波は堤防の内側と外側の両方を遡った。
外側を遡った津波は大川小学校のあたりで行き場を失い
大きく盛り上がって多くの人命を奪った。