「火宅」の危機 ‐ 試される作家都知事の感性

 
石神井駅の高架化工事も終盤にさしかかり、
駅周辺の再開発が進められている。

駅東側から石神井公園のボート乗り場に向かう道路も拡幅工事中だ。
その道を公園に向かって歩いていくと、大きな家にぶつかる。

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「火宅の人」を代表作とする壇一雄の家である。
蔦がからまった塀が続き、独特な雰囲気を醸し出している。

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散歩の途中で、この家の前を通りかかることがある。
人の出入りを見ることは滅多にないが、今も壇一雄の家族が住んでいると聞いている。
(長女で女優の壇ふみさんか、エッセイストの壇太郎さんの家族だろう)

壇一雄が現役の頃、ここは多くの作家、編集者の溜まり場でもあったという。
一時坂口安吾夫妻が身を寄せていたこともあるらしい。
近所ではカレーライス100人前事件 ゆかりの食堂が今も営業を続けている。

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石神井が沿線の他の駅と一味違った空気をもっているとしたら、
それは壇邸の存在と無縁ではないはずだ。
ある意味で、石神井のシンボルのような家である。

工事は家の裏方でも進んでいる。

やはりこの家を取り壊すことになるのだろうか?
作家都知事はこの状況をどう見ているのだろうか?