2011-06-11 「火宅」の危機 ‐ 試される作家都知事の感性 石神井散策 #東京都 石神井駅の高架化工事も終盤にさしかかり、 駅周辺の再開発が進められている。 駅東側から石神井公園のボート乗り場に向かう道路も拡幅工事中だ。 その道を公園に向かって歩いていくと、大きな家にぶつかる。 「火宅の人」を代表作とする壇一雄の家である。 蔦がからまった塀が続き、独特な雰囲気を醸し出している。 散歩の途中で、この家の前を通りかかることがある。 人の出入りを見ることは滅多にないが、今も壇一雄の家族が住んでいると聞いている。 (長女で女優の壇ふみさんか、エッセイストの壇太郎さんの家族だろう) 壇一雄が現役の頃、ここは多くの作家、編集者の溜まり場でもあったという。 一時坂口安吾夫妻が身を寄せていたこともあるらしい。 近所ではカレーライス100人前事件 ゆかりの食堂が今も営業を続けている。 石神井が沿線の他の駅と一味違った空気をもっているとしたら、 それは壇邸の存在と無縁ではないはずだ。 ある意味で、石神井のシンボルのような家である。 工事は家の裏方でも進んでいる。 やはりこの家を取り壊すことになるのだろうか? 作家都知事はこの状況をどう見ているのだろうか?