練馬の古写真展から (その2)

 
前回に続き、練馬の古写真をもう一枚。

写真1
イメージ 1

中央を流れるのが石神井川である。
キャプションに「谷原から長光寺橋方面を望んでいます。
写真の左側の森が現在の元締山の森緑地です」とある。

これらの地名を現在の地図で確認してみよう。

イメージ 2

長光寺橋は笹目通り石神井川をまたぐ場所にかかっており、
橋の上流側(西側)に元締山の森緑地がある。
谷原という地名は笹目通りを北に行ったところにあるが、昭和30年ごろまでは
長光寺橋から東に数百m下った地点に谷原町が広がっていた。

写真1は緑地の下流から上流を見た写真であることは間違いなそうだ。


この地図と写真1をさらに詳しく調べると、いくつか一致しない点も見えてくる。

①地図上では長光寺橋も笹目通りも元締山緑地の下流側(東側)にある。
 従って下流側から写真を写せば、森の手前に橋や道路が写るはずだが、
 写真1には橋も道路も写っていない。

②地図上では川筋が真っすぐ東西に伸びているが、写真1では左の森のほうから
 流れて来ているように見える。



次の写真は国土地理院のホームページで見つけた昭和22年の航空写真である。

写真2
イメージ 3

この航空写真を見ると
③この辺りを南北につらぬく道は、元締山緑地の西側(上流側)を通っており、
④川は大きく蛇行して、元締め山のすそ野を通って流れている。

先ず④だが、これは写真1の見立て②と一致する。
道路も緑地の上流側を通っていた(③)のだから、緑地の下流側に道路や橋が
写るはずもない(①)。

写真1は河川改修や道路建築が進められる前の南田中の風景なのだ。

(この続きは次回)