広重名所江戸百景 -「都心河川「百景」クルーズ 」(その1)

 
広重ツアーのオプションとして、神田川から日本橋川あたりをぐるりと
回る船旅に参加しました。
今回はカミサンも一緒です。

ルートはだいたいこんな感じ。
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出発地は神田川河口に近い浅草橋付近です(地図の右上)。
このあたりは江戸の頃は船宿や料理屋が並んでいたところで、
今でも隅田川をめぐる屋形船の出発地になっています。
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私たちが乗ったのは右側に見えている白い船にそっくりの船。
「クルーズ」とは名ばかり、とは申すまい(笑)。


ともあれ、浅草橋を出発して、神田川を遡ります。
左衛門橋、美倉橋、和泉橋と橋をくぐっていきます。(写真は和泉橋)

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江戸の頃、左側一帯には洪水を防ぐ土手が続いていました。
夜鷹で有名な柳原土手です。
藤沢周平の「用心棒日月抄」にもでてくるよ、などとカミさんに話しているうちに、
秋葉原万世橋が見えてきました。

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広重はこの辺りで次のような絵を書いています。(第9景「筋違内八ツ小路」)

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広場の向こうに斜めに走っているのが神田川沿いの土手、
土手の中央付近に見えているのが筋違御門です。
この門の所には筋違橋が架かっていました。

最初の地図でいうと、赤い矢印(第9景)の方向に見た絵になります。
万世橋は筋違橋より少し下流にかかっています。

明治になって筋違御門前の広場に万世橋駅という駅が作られました。
東京駅に先だってレンガ作りの立派な駅舎が建てられたのですが、
周囲の交通インフラの整備と共に利用者が減って、廃駅になりました。



万世橋の上流側に駅の遺構が今も残っています。
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レンガのアーチが美しい。
以前はこの建物一部を交通博物館に使っていましたが、それも
埼玉に引っ越してしまいました。

(続く)