広重名所江戸百景ツアー(5) 第59景「両国橋大川ばた」&第95景「両国花火」

今回は両国橋の二景です。

先ずは第59景「両国橋大川ばた」。
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そして両国橋西岸、橋の下流側で、絵の説明を聞いている我々。
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 『葭簀張りの店が並んでいるところは両国の西広小路。
  床店や芝居小屋、見世物が並ぶ江戸随一の盛り場です。

  空と橋の下に見える色の濃い部分をボカシといいます。
  ボカシは版木に彫られているわけではなく、摺り師が入れたものです。
  版木を少し濡らしてそこに色を置いて摺り上げました。

  初版の時には広重から「ここにボケを入れてくれ」という指示がありますが、
  手間がかかるので後摺り(あとずり)では省略することもありました』

帰ってからGoogleの画像検索で調べてみると、たしかに
橋の下のボカシがないのやら、いろいろなバリエーションがあります。
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次は名作の一つ、第95景「両国花火」です。
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広重の絵で右上の花火のバックは黒い色ですが、明るく輝いている摺りもあります。
個人的にはこっちのほうが好きです。

よく見ると、左側の光跡の後ろには木目が見えます。
今まで気が付かなかったのですが、他の絵にも木目が見えるものがあります。
初版か後摺りかの区別にはこんな情報も使っているのでしょう。

この絵のビューポイントには西岸説と東岸説があるそうです。
西岸なら両国橋の少し上流、柳橋のあたり、こんな感じですかね。
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手前は神田川の河口、隅田川への落ち口です。
前回も述べたように江戸の両国橋は現在より少し下流にかかっていました。

あと二か月もすれば両国の花火大会です。
今年はスカイツリーとの組み合わせもあるので、例年以上に混みそうです。