石神井今昔(その4)

次の写真は昭和31年の石神井商店街の写真です。

写真1 イメージ 1

この写真が商店街のどのあたりか、しばらく見当がつきませんでした。
電信柱の矢崎医院(駅の北口に現存)の看板も、右側のキャラメルとかかれた看板、
森永アイ(スクルーム)という幟も、場所を特定する決め手にはなりません。
丸に善の看板は洋品店のようですが、現在の商店街マップには丸善という店も、それらしい洋品店も見当たりません。

それでも写真をじっくり眺めているうちに、左側の大きなテラスのある家(手前から2軒目)が前回も使用した下の写真の中にある家とそっくりなことに気がつきました。

写真2 イメージ 2

前回述べたように、この写真は
石神井銀座通りの伊勢屋鈴木商店の近辺を映したものです。

道路の右側、伊勢屋の看板の向こうの家が、写真1のテラスのある家とそっくりです。
撮影方向が180度反対方向ですが、家の全体的な形、テラスの大きさ、手すりの形、
二階の窓の上の庇がそっくりです。

ただし、これだけで同じ家、同じ場所と断定するのは少し言いすぎです。
そこで伊勢屋鈴木商店の近辺に出かけ、他の手がかりを探してみることにしました。

50年もたっていますので、写真1のテラスの家は残っていませんでした。
伊勢屋鈴木商店の前にはインドカレーの店シルザーナ があります。
そしてその2階には二階にカラオケ店レインボの看板が見えます。

通りから少し入ったレインボウの入り口に行ってみると、
郵便受けに「(有)丸善 カラオケレイボー」という文字がありました。

丸善は伊勢屋鈴木商店のややはす向かいにあります。
場所はドンピシャです。

写真1が石神井銀座通りの伊勢屋の近辺を撮ったことはほぼ間違いないと思います。
撮影ポイントは写真2に見える道路左側の立ち木の前のあたり。

レインボは店の名前、丸善はそれを経営している企業の名前でしょう。
商店街のマップに丸善という名前がなかった理由も、たぶん店の名前だけを登録したと
考えれば納得できます。

写真1で、丸善の向かいあたりに「シャン」という看板と氷という幟が見えますが、
このあたりが伊勢屋酒店で、シャンはメルシャンでしょうか。

なお蛇足ですが写真2(昭和30年)と写真1(昭和31年)の街灯を比較すると、
丸型から細長い型に変わっています。
この1年の間に工事が行われたことが分かります。