石神井今昔(その3)

たまたま入手した「昭和30年・40年代の練馬区」に出ている石神井の古写真と今の
姿を比較したいとおもってこのシリーズを書き始めました。

比較するには写真がどこでどの方角に向かって撮影されたか特定が必要になります。
写真の中から特定の手がかりになるような情報を探し出し、それを現在の
いろいろな情報と比較する、そして現場に行ってそれを確認する、という作業が必要に
なりますが、これが実におもしろい。
はまっています。

今回は昭和30年ごろの石神井商店街の写真を取り上げます。

写真1 イメージ 1

左端に石神井銀座という看板があります。
商店街のホームページを見ると、石神井公園駅から伸びる商店街は駅前通りと銀座通りの二つに
分かれています。50年前もそうだったかは分かりませんが、とりあえず上の写真は銀座通りの
写真ということにしましょう。

写真の右上に伊勢屋酒店と質店という看板が見えます。
先ほどのホームページを見ると現在も伊勢屋鈴木商店という酒屋があります。
で、その酒屋さんの付近から石神井銀座の写真をとりました。

写真2 イメージ 2

右端の茶色の壁が伊勢屋鈴木商店

町の様子はすっかり違うけど、よく見ると、両方の写真にはいくつか共通点があります。
両方とも右上に質屋の看板がある、電信柱が道路の右側にある、街灯(茶色のポール)が似た
ような場所に立っている、道路が先のほうで右にカーブしている、道路突き当たりの建物
(写真1では電柱左側の建物、現在の写真2では白い建物)の立ち姿がよく似ている、等々。

写真1の左側には時計メガネという看板が見えます。今も道路の左側に三井堂時計という店が
ありますが、写真1の場所より向こうのほうにあります。
同じ時計屋だとしたら、場所が少し変わったのかもしれません。

さて、練馬区のホームページを見ていましたら、この通りを反対方向から見た写真がありました。
昭和30年代初めのころの写真だそうです。

写真3 イメージ 3

電信柱が道路の左側に立っており、写真1と反対方向から見ているのが分かります。
街灯は写真1の丸いランプから細長い蛍光灯に変わっています。

右側の建物は十字堂という洋品店、左側は生協の青果部だそうです。
十字屋の向こう、道路の右側に立ち木が見えますが、これは写真1の道路左側の立ち木でしょう。
写真1で立ち木に隠れるように建っている建物が十字堂だと思います。

次の写真は、写真3と同じ位置からとった写真です。

写真4 イメージ 4

残念ながら十字堂という名前は見つかりませんでしたが、十字堂の敷地は細分化されず、そのまま
現在のビルがたっているようです。

今回の写真の撮影地点をまとめますと、おおよそ次の通りです。

イメージ 5

なぞ解き遊びは続きますが、今回はここまで。