夏の記憶

 

八月も中旬になったというのに、東北はまだ豪雨に見舞われている。
夜になって秋田の従弟に電話をした。
幸い被害はなかったそうだが、畑はダメだ、と嘆いていた。



ニュースで川の映像を見ていたせいか、
布団の中でウツラウツラしているとき、
子供の頃の川遊びのことが脳裏に浮かんできた。


夏休みになって友達と川で泳いでいる。
東北の山の中なので水は冷たい。
10分ほど泳ぐと大人が川からあがれと号令をかける。
震える体で河原の大きな岩に抱きつく。


イメージ 1
(馬淵川wikiPediaより借用)



すべすべとした岩は太陽に焼かれて熱い。
だんだんと、岩と身体の温度がなじんでいく。

岩に吸い込まれていくような感覚、冷え切った体が
蘇生していく幸福感は、子供達は誰でも知っていた。


川に入れる期間は10日から2週間程度だったように思う。
8月も10日過ぎになると遊泳禁止になったのではなかったか。

今日はその8月10日である。
あの町の子供達に今年は夏はやってきたのだろうか?