Floating World

 
丸ノ内の三菱村に三菱一号館という建物がある。

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この建物の中にある美術館で「浮世絵 Floating World 珠玉の斎藤コレクション」が開かれている。

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現在はその第二期目の最中で、北斎の「富嶽三十六景」と広重の「東海道53次」を中心とした
展示が行われている。


ガラスケースや柵のようなものが無いので、「神奈川沖波裏」だとか、「凱風快晴」といった名作を
手に取るような近さで見ることができる。
いま摺り上がってきたような状態のいい作品が多い。





富嶽三十六景」をずっと眺め渡してみると、「青」「藍」が目につく。
神奈川沖波裏」の海の色、「凱風快晴」の空はもちろん、「駿州江尻」「甲州石班澤」など
ほとんど青一色と言ってもいい作品が並んでいる。


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(同上)


   この青は「ベロ藍」といってヨーロッパや中国から輸入された顔料だそうだ。
   今で言うとペルシアンブルー、従来の日本の顔料に比べて鮮やかで
   美しいグラデーションが出せるので、この時代におおいに流行した。
   藍を基調とした絵は藍摺りと呼ばれた。



8月13日からは第三期の展示が始まり、広重の名所江戸百景も展示される。

例の名所百景ツアー では「から摺り」「あてなしぼかし」「きめだし」「雲母摺り(きらずり)」など
いろいろな技法の紹介があったが、まだ見たことは無い。

状態のいい版なら分かると言うから、運が良ければこの目で確かめることが
できるだろう。