石神井川の古写真(1)

 

先週末、近所の図書館に出かけたら、昭和30-40年代の
石神井川の風景写真展をやっていた。

始めて見る写真もあったし、このブログで取り上げてきた
石神井の古写真もあって、とても面白かった。


石神井川は小さな川である。
西東京市の田無に源を発し、練馬区、北区音無を経て荒川に注ぐ。

ただ江戸の頃には、この川の源流は石神井三宝寺池
ということになっていたらしい。
それでこの川は石神井川と呼ばれた。


ということで、元源流の三宝寺池の古写真を一枚。
昭和40年代の写真である。

イメージ 1


池の西岸から東の方角を撮っている。
右端に厳島神社の橋脚がわずかに見えている。
キャプションによるとこの厳島神社の手前側が三宝寺池の水源で、
底から水が湧きあがるのが見えた。



こちらは1年ほど前の同じアングルの写真である。

イメージ 2


画面右上に見えている枝は厳島神社の木の枝で、
正面右寄りの林は池の中から生えているハンノキの林である。


二つの写真の間には半世紀近い時間の隔たりがあるが、
雰囲気はよく似ている。
昭和の写真で葦原の向こうに見えている林もたぶんハンノキの林だろう。

二つの写真で一番違うのは、林の手間の葦原の有無だろう。
昭和のほうが葭原が大きく広がっている。
この頃、都市化と共に葦の利用が無くなって、葦原が広がったのだという。

現在は植生保全のために葭の刈り取りが行われているので、
葦原は別の場所でしか見られない。