東北に住む友人から昨年末に「
三陸海産物セット」が送られてきた。
糟漬けや味噌漬け、干物といった保存食なので、正月明けから
少しづつ大事にいただいている。
さっと炙った肉厚の身に醤油をたらして、口に放りこむ。
燻製のような旨みが口にひろがる。
ゆっくりじっくり噛みしめ、それから飲み下す。
そしてぬるめの日本酒を口にふくむと、友人と過ごした
日々のことが蘇ってくる。
あの町の魚屋の店頭には、いつも
イカの串焼きの匂いが流れていた。
炭火を囲むように串刺しの
イカが並ぶ。
香ばしい匂いがあたり一面に立ち込め、学校帰りの口に唾があふれた。
友人からもらったお歳暮ももう僅かだ。
最後の一夜干しを肴に今夜もまた一杯やろう。