広重名所江戸百景 第77景「鉄砲洲稲荷橋湊神社」

 
霊岸島南端の潮位観測所の付近から、隅田川下流を見ると、
広々とした風景が広がる。
 
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右側は鉄砲洲、左側は石川島・佃島、右下に向かって亀島川が伸びている。


この辺りで隅田川は江戸湊とも呼ばれ、物資運搬用の大型船が
錨をおろす江戸の玄関口であった。
米や酒は小型の伝馬船に積み替えて、亀島川沿いに
茅場町や小網町まで運ばれた。

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広重はここから亀島川に入ったあたりの風景を描いている。

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手前左右に流れるのが亀島川、八丁堀が奥に向かって伸びている。
左側に見える赤い塀は鉄砲洲稲荷神社である。

千石船か菱垣廻船の帆柱が前景に描かれている。
荷物を満載した伝馬船亀島川や八丁堀を行き来している。


この風景は今こうなっている。

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八丁堀は埋め立てられ、鉄砲図稲荷も少し離れた場所に移された。

八丁堀の入り口に何台も停泊しているハシケは、江戸湊の生業が
引き継がれた姿なのだろうか