石神井今昔(その6) 謎の牧場写真(後半)

練馬南田中にかってあった積田牧場の撮影ポイント探しを続けます。

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前回はこの写真から分かった手がかり(①南西方向から北東の方角を向いて撮影している、
②建物の一階と同じ高さから撮影している、③建物が前後二列に並んでいる)をもとに
現地で撮影地点を探しましたが、空振りに終わっています。

改めてこの写真を見ていましたら、いくつか見落としていたことに気がつきました。
①写真中央の郵便ポスト、道路標識、ガードレールが見えます。
 自転車と自転車が走っているのは明らかに公道です。
➄ 道路の手前側には歩道があり、歩道からこっち側が牧場の敷地です。
⑥道路の向こう側に柵がずっと続いています。
 柵の間から草が生い茂った土手のようなものが見えます。
 石神井川の北側の土手のようです。

以上の推論が正しければ、5階建ての建物は川向こうに建っていることになります。

ということでもう一度南田中団地に出かけ、積田駐車場下の15号棟の前あたりから
石神井川対岸の北東方向を見てみました。
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水色の鉄塔の右側は長光寺橋公園、鉄塔の手前の低くなっているところが石神井川
川のこちら側には道路と歩道があります。
右側に50mほど行ったあたりで幹線道路(笹目通り)にぶつかります。
しかし北東方向に肝心の建物が見えません。
ウーン。どうしてだろう。

そこで少し作戦を変更し、地図上でチェックすることにしました。
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東西方向に石神井川が流れ、それを挟むように団地が広がっています。
南北に延びる笹目通りが団地を東西に分断しています。
写真のAの場所が南岸の中腹にある積田駐車場、積田牧場の跡地です。

団地の棟番号を見ると1号から8号までは笹目通り東側の石神井川南岸にあり、
9号から12号までは北岸にあります。
笹目通り西側の石神井川南岸に15号から28号、北岸に29号以降が展開されています。

不思議なことに13、14が欠番となっています。
これはいったい何を意味しているのでしょうか。

地図をもう一度見ますと笹目通りの西側、石神井川北岸に長光寺橋公園があります。
積田牧場から北東の方角にあたり、建物がちょうど2棟たつだけの広さがあります。
私は、ここに13、14号棟が建っていた、そしてなんらかの事情
(たとえば笹目通りの拡幅や直線化工事など)で取り壊されたと推測しています。

幻の13、14号棟を仮定すれば、牧場写真から分かった手がかり(①北東の方角、
②一階高さからの撮影、③前後に並んだ二棟、そして④~⑥の牧場、歩道、公道、川、
建物という配置関係)と現地の状況がピッタリ一致します。

牧場写真の撮影ポイントは、現在の15号棟付近というのが今回の結論です。