石神井今昔(その5)― 謎の牧場写真(前半)

石神井公園の東に隣接する南田中にはかって牧場があったそうです。
練馬区のホームページによると、積田牧場といい、1950年から1978年まで石神井川南側の崖の中腹で営業していたとのこと。

写真1
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牛の右後ろの立ち木は少し低い所にあり、横に細長く続いているのは石神井川の土手。
南岸にある牧場から川の方角を向いて撮影していますので、ほぼ北の方角を写して
いることになります。
川向こうの高台は高野台のあたりになります。


次の写真は少し時代を下った1972年の積田牧場です。
写真2
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牛の後ろに見えているのは1970年ごろから建設が進んでいた南田中団地です。
牧場と団地が隣り合って写っていますが、今回のなぞ解きはこの写真の
撮影ポイントがどこかということです。

先ず、写真2を分析してみましょう。
①南田中団地は石神井川の両岸に沿って東西に細長く伸びた団地です。
 団地の建物は全戸ほぼ南向きに立っています。
 南向きの建物を南西方向から撮影すれば写真2のような角度に写ります。
②写真2は高い位置から見下ろす形ではなく、建物が建っている
 地面(低地)と同じ高さから撮っています。
 積田牧場は南岸中腹だけでなく、低地にまで広がっていたことが分かります。
団地の二棟の建物は前後二列に並んで立っています。

このような手掛かりを持って、練馬区のホームページに出ている住所を尋ねてみました。
すると積田と名のついた駐車場がすぐ見つかりました。

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川岸より少し高い位置にあり、崖の下(北方面)には団地の建物もあります。
ここが積田牧場の跡地であることは間違ないでしょう。

それでは写真2はこの駐車場の付近で撮ったものなのか。
駐車場のすぐ下には団地の建物が並んでいて、この写真には写っていませんが
北東方向にも建物が見えます。

しかし駐車場の下に降りてみると建物までの距離が近すぎて、写真2のように
手前に牧場を配置するだけの広さがないことが分かりました。
すなわち写真2の団地の建物は駐車場の下にある建物ではなさそうです。

その後も周辺を捜しまわったのですが、これはというポイントは見つかりませんでした。
いったんあきらめて帰ってきたのですが、このなぞ解きはその後意外な展開を見せます。
それに関しては次回に。