旅立ちの日に

夜半から続いていた風雨は朝にはいくぶん弱まった。
そんな雨模様の中で自称晴れ女の娘の高校の卒業式があった。

これが我が家にとって最後の卒業式ね、という妻の言葉に誘われて、
私も出席することにした。(正確にはもう一回あるはず)

第一部では卒業証書授与、来賓挨拶、代表挨拶、校歌斉唱などがあって、
第二部では卒業生主体のスライドショー、合唱などがあった。
スライドショーには卒業生の語りがついていて、女生徒は
卒業式定番の涙もちゃんと入れてくれる。

合唱では「旅立ちの日に」が歌われた。
先日の朝日新聞にも卒業式の定番として紹介されていた歌であるが、
私は初めて聞いた。

  白い光の中に 山並みは萌えて
  はるかな空の果てまでも 君は飛び立つ
  限りなく青い空に 心ふるわせ
  自由をかける鳥よ 振り返ることもせず

  勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
  この広い大空に 夢を託して

  (中略)

  今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
  はずむ 若い力 信じて
  この広い この広い 大空に

未来に向けて旅立つ心をうたった詩もいいし、静かに胸にせまってくる曲も
卒業式にふさわしい。
卒業生も心をこめて歌っていて、気持がよかった。
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卒業式が終わり、眼を赤くして会場から出てくる生徒も多かったが、
我が娘はと見ると、笑って余裕の表情ではないか。
あとで聞くと泣きたくなるような場面はなかったんだとか。

いささか情緒性に欠けてはいないか、「旅立ちの日に」に込められた
決意を我がこととして顧みることはなかったのか、といらざる心配
が胸をかすめるのであった。

とはいえ親の仕事がまた一つ減って、ホッとする気持ちと、
残り少なくなってきたという気持ちが交錯する一日でもあった。