りんごの花の記憶
途中で対岸に渡り、果樹園の広がる斜面を登る。
里川の両岸にゆったりと広がる山並み、山肌の新緑、
足元の斜面では果樹の花が満開。
果樹の木に近づくと、花びらは桜より一回り大きく、
花びらにうっすらとピンクの筋が入っている。
どうやらりんごの花らしい。
子供の頃家の近くにはりんご園があり、毎年春には
花が咲くのを見ていた。
それ以来ずっと、りんごは真っ白で小さな花を咲かせる
ものだと記憶してきた。
それとはまるで印象が違う。
品種が違うのかとも思ったが、あとで調べてみると
私の記憶違いと分かった。
近くでは鶯が鳴き交い、茶畑に若芽が出始めている。
同行者は桃源郷だねと言いながら句案をひねっている様子。
それを見ない素振りで、写真に専念した一日。