古道具 中野商店
川上弘美 角川文庫 平成20年発行
川上弘美の本は「先生の鞄」に続いて、二冊目。
格別熱心な読者というわけではない。
「先生の鞄」も、娘が読み終わってそのあたりに
ほってあったのを、ほかに読む本がないという休日に
たまたま手に取ったという程度である。
人と人のあいまいな関係や不器用さが生む
悲しさやおかしさがゆるゆると展開され、
ひとつの文学足りえていた。
だからといって別の作品を読もうというほどでもない。
そんな読者がなんでこの本を買ったんだろう。
われながら不思議だが、たぶんにタイトルのせいだ。
本を読み始めれば中野商店の中野は商店主の名前であることが
すぐわかるが、タイトルだけを見ると中央線の中野あたりの
古道具屋のようなイメージと重なる。
中央線沿線の商店のお話となるとねじめ正一の一連の本や、
出久根達郎の古書店のエッセーとも重なってくる。
といった勝手な思い込みのもとに買ってしまった。
話が繰り広げられるのは「学生の多い東京の西の近郊」とあるから
上の思い込みはそれほど違っていた分けでない。そんな町の
中野商店に勤める人たちが不器用に小さな悩みを持ちながら、
生きていく姿がつづられる。
ゆるゆるとした時間と人間関係をじっくり発酵させるように
描くのは「先生の鞄」と一緒。
こんな時に読みたい:ねじめ正一ワールドはちょっと時代が古くさいな、
今の世の中を舞台にした話として読みたいな、と思ったとき。
あるいはそういう欲求を持つ人。
川上弘美の本は「先生の鞄」に続いて、二冊目。
格別熱心な読者というわけではない。
「先生の鞄」も、娘が読み終わってそのあたりに
ほってあったのを、ほかに読む本がないという休日に
たまたま手に取ったという程度である。
人と人のあいまいな関係や不器用さが生む
悲しさやおかしさがゆるゆると展開され、
ひとつの文学足りえていた。
だからといって別の作品を読もうというほどでもない。
そんな読者がなんでこの本を買ったんだろう。
われながら不思議だが、たぶんにタイトルのせいだ。
本を読み始めれば中野商店の中野は商店主の名前であることが
すぐわかるが、タイトルだけを見ると中央線の中野あたりの
古道具屋のようなイメージと重なる。
中央線沿線の商店のお話となるとねじめ正一の一連の本や、
出久根達郎の古書店のエッセーとも重なってくる。
といった勝手な思い込みのもとに買ってしまった。
話が繰り広げられるのは「学生の多い東京の西の近郊」とあるから
上の思い込みはそれほど違っていた分けでない。そんな町の
中野商店に勤める人たちが不器用に小さな悩みを持ちながら、
生きていく姿がつづられる。
ゆるゆるとした時間と人間関係をじっくり発酵させるように
描くのは「先生の鞄」と一緒。
こんな時に読みたい:ねじめ正一ワールドはちょっと時代が古くさいな、
今の世の中を舞台にした話として読みたいな、と思ったとき。
あるいはそういう欲求を持つ人。